高森明勅

猿にかも似る

高森明勅

日々の出来事
2019年 8月 6日

元号「令和」の出典は万葉集(プラス文選〔もんぜん〕)。
その出典となった「梅花(ばいか)の歌」序文を書いたのは
恐らく大伴旅人(おおとものたびと)だろう。
旅人は言う迄もなく、万葉集を代表する歌人、
家持(やかもち)の父。
その旅人の作に次のような和歌がある。
有名な「酒を讃(ほ)むる歌13首」のうちの1首だ。


あな醜(みにく)

賢(さか)しらをすと
酒飲まぬ
人をよく見れば
猿にかも似る

(ああみっともない、賢〔かしこ〕ぶって
酒を飲まない人をよくよく見ると、
猿に似ていることよ)

―酒を愛した旅人の人柄を
彷彿(ほうふつ)とさせる。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/