高森明勅

皇位継承順位の変更

高森明勅

皇室・皇統問題
2020年 9月 8日

秋篠宮家のご長男、悠仁親王殿下。
現在の皇室典範のルールでは、皇位継承順位は第2位だ
(第1位は秋篠宮殿下)。

しかし、率直に言って、典範がこのまま改正されなければ、
そのご生涯はかなり厳しいものになりかねない。

畏れ多いが、殿下が、わが皇室の最後のお1人になられる、
という悪夢のような将来も、余り考えたくはないものの、
可能性がゼロではない。

そうした、最悪の将来を回避する為には、政府と国会の責任で、
何としても皇室典範の改正を成し遂げなければならない。
その改正は当然、皇位の安定継承を目指す内容でなければ意味が無い。
皇位の安定継承を目指せば、明治以来の「男系男子」限定は見直す他ない。

その一方で、直系優先は当然、維持されるはずだ。
その結果、悠仁殿下の継承順位が変更されることになる(秋篠宮殿下も同様)。
敬宮(としのみや、愛子内親王)殿下が「皇太子」になられるだろう。
但し、誤解が無いように付言すれば、秋篠宮殿下・悠仁殿下の継承順位に
変更があっても、継承資格そのものが失われる訳では勿論、無い。

一部に、ことさら「廃嫡(はいちゃく)」とか「皇位の簒奪(さんだつ)」
といった、刺激的な言葉を乱用する向きもある。
しかし、改めて言う迄もなく、秋篠宮殿下も悠仁殿下も現在、
次の天皇たることが確定している「皇太子(又は皇太孫)」の地位に
あられるのではない。

皇太子(又は皇太孫)ではない一般的な「皇嗣」の場合、皇室典範がその
皇籍離脱の可能性すら全面的には排除していない事実(11条2項)からも
明らかなように、順位の変更は予め織り込み済みのお立場だ
(悠仁殿下はまだ、その一般的な皇嗣ですらない)。

しかも、敬宮殿下は無論、天皇陛下のお子様であられ、その方が憲法と
(改正された)典範の規定に立脚して、皇太子になられる以上、上記のような
不穏当な用語は全く当たらない。
むしろ、そんな言葉を軽々しく遣うのは、皇室に対して非礼であり、
不敬と心得るべきだ。

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