高森明勅

読売テレビ、日本教師塾

高森明勅

皇室・皇統問題
2020年 7月 20日

7月18日、大阪の読売テレビへ。

26日放送の「そこまで言って委員会NP」の収録の為。
テーマは「右翼VS左翼」。
番組の終わり頃の「女系天皇に賛成か、反対か」というコーナーの
ゲストとして出演する(このコーナーと全体のテーマとの整合性が
もう一つよく分からないが)。

私の基本的なメッセージは、側室不在で非嫡出の継承可能性が
排除された条件下では、「明治以来の『男系男子』の縛りを維持していては
皇位の安定継承は望み難い」というもの。
旧宮家系国民男性が新しく皇籍を取得するという方策の困難さを、
少し丁寧に説明した。

他の出演者はジャーナリストの門田隆将氏、産経新聞の阿比留瑠比氏など。
コーナーの終わりで、司会の辛坊治郎氏は「半分冗談だけど、
側室を復活するしかない」、竹田恒泰氏は「旧宮家の赤ちゃんを皇室に
入れれば大丈夫」という趣旨の発言を、少し平常心を失った感じで、
それぞれ叫んでおられた。
編集でカットしないで、そのまま放送して欲しい。

事前に娘から、新大阪駅に美味しい肉マン屋さんがあると教えられていた。
帰りに買おうと思っていたものの、行列の長さが半端じゃなかった。
新幹線の出発に間に合わなくなるので断念。
テレビ局が用意してくれた弁当を食べながら帰った。

19日、日本教師塾。
テーマは「日本書紀・前編」。
W先生が、僅か60分で日本書紀30巻の全体を、「神代(かみよ)」から
持統天皇まで、漏らさずに解説された手際の良さに驚いた。
さぞや時間を掛けて入念な準備をされて来たに違いない。
改めて敬服した。
参加者にとって極めて有益な時間だったはずだ。

私は、歴史を学ぶことの意義から話を始めて、「日本書紀」という
書名自体から読み取れる同書の基本姿勢を、「古事記」と比較して述べた
(基本となる対立軸が、書紀は内―外、自―他なのに対し、古事記は古―今)。
正格の「漢文」で書かれていながら、「和訓」での訓(よ)み方にこだわる
態度に見れられる、普遍志向と独自志向のバランスという、
現代にも通じる問題ついても、言及した。

メインは、書紀の魅力を、そこに描かれた具体的な人物像から伝えよう、
と考えていた。

神功皇后、海人(あま)の男狭磯(おさし)、河内馬飼首荒籠
(かわちの・うまいのおびと・あらこ)、調吉士伊企儺(つきのきし・いきな)
とその妻・大葉子(おおばこ)、大伴部博麻(おおともべの・はかま)
などを取り上げるつもりだった。

しかし、それ以前の全体的な解説に多くの時間を費やしてしまった。
その為、僅かに捕鳥部万(ととりべの・よろず)の飼い犬に
触れただけに終わった。

朝廷の軍勢に滅ぼされた物部守屋(もののべの・もりや)の家来だった
万の奮戦ぶりと、その忠犬の健気な姿を、日本書紀は特筆大書した。
そこに書紀編者の歴史への「志」を見ることができる。
何とか、それに触れることはできた。
会の終了後、懇親会。

ここでは歓談の傍ら、参加者からの質問をどしどし受け付ける。
図らずも、倭国の形成から、邪馬台国を経て大和朝廷の登場に至る
歴史の流れについて、私の大まかな考え方を語ることになった。

飛び入りで参加していた高森稽古照今塾受講者のS君は、
自分が奉仕団の団長を務めた平成30年の皇居勤労奉仕での、
上皇・上皇后両陛下のご会釈の際の感激的な場面を、嬉しそうに
披露していた。
更に二次会へ。
この一次会・二次会の時間の方が長かったのではないか。
楽しい一時(ひととき)だった。
次の教師塾は9月。
どんなモデル授業が聴けるか、今から楽しみだ。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/