高森明勅

政界の暴れん坊だった亀井静香氏の「政治家」観察レポート④

高森明勅

政治・経済
2022年 5月 25日

亀井静香氏『永田町動物園』より。

「(元特攻隊の浦田勝さんが)100キロ近い巨体を揺らし、
肩で風を切って国会を歩く姿は、まさに容貌魁偉、
自民党でもひときわ存在感を放っていた。


…こんな光景を目にしたことがある。

あるとき、浦田さんの秘書が事務作業を怠けていた。
それを知った浦田さんは、近くに飾ってあった日本刀を手に取った。
そして秘書を目の前に座らせ、刀を振り上げて、
ビシッと目の前で寸止めしたんだ。
もちろん俺も秘書がヘマをしたときには叱ることもあったが、
日本刀を持ち出す浦田さんには驚いた。
浦田さんは文字通り、いつも真剣勝負なのだ。
全身全霊で政治に臨んでいたということだろう」

「(園田直さんは)相当な人たらしだった。
いや、女たらしと言ったほうがいいか。
(息子の博之が)父親のカバン持ちをしていた頃、
旅館に着いて部屋までの廊下を歩く間に、案内役の仲居と
どこかへ消えてしまって大変だった、という話を園田(博之)
からも聞いたことがある」

「国民民主党代表の玉木雄一郎は、まだまだ若いが、
間違いなく将来の日本を担っていく政治家だと思う。
…玉木に言いたいのは、机上の勉強じゃダメだということだ。
政局で揉まれ、修羅場をくぐる。
批判され、めちゃくちゃにマスコミに書かれないとダメだ。
そのためにも、政局を仕掛けていかないといけない。
例えば、首班指名で国民民主党が全員『石破茂』に投じたら、
嫌でも政局は動く。
常識や理屈では考えられないようなことも仕掛けていかなければ
権力は握れない。
乗り越えれば、玉木は本物の政治家になる」

(続く)

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