高森明勅

「誡太子書」血筋だけでなく“徳”を身に付ける大切さを強調

高森明勅

皇室・皇統問題
2022年 3月 9日

天皇陛下が繰り返し言及しておられる
花園天皇の「誡太子書(かいたいしのしょ)」。
実に激しい内容だ。

例えば、次のような一節も。

「皇太子の周囲の愚人が、媚びへつらって、
こんなことを言うかも知れない。

『わが国において天皇たるべきは万世一系の
血筋の方と決まっている。
他国が王朝交替を繰り返して来たのとは事情が違う。
血統の権威があり、祖先や神々の助けもあるので、
むやみに優れた人格的価値(徳)を身に付ける為の
努力をしなくても大丈夫』と。
しかし、それは全く間違いだ」(意訳)

単に血統だけでなく、天皇たるに相応しい人格的価値を
身に付ける努力の大切さを強調している。 

天皇陛下が「研鑽(けんさん)」という言葉を
キーワードにしておられるのも、長年にわたって
同書の教えを拳拳服膺(けんけんふくよう=両手で物を
捧げ持つように、しっかりと心に銘じて守り行うこと)
して来られたからに他ならないだろう。

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