高森明勅

『わしズム』総選挙が始まった

高森明勅

2012年 7月 27日
『わしズム』31号が発売された。

パラパラめくると、アレッ? 
小林よしのりさんの「十万年の神様」が載っていない。

これから、ますます面白くなりそうで、楽しみだったのに。

小林さん超ハードスケジュールのため、1回休みか。

と思いきや、「よしりん四方山話」にこんなことが書いてあった。

「前号の人気投票で『ゴーマニズム宣言』にも、
『女について』にも敗れたので、編集長として非情に打切った。
自分が編集長なだけに甘えは許されない」と。

ヒェー、恐ろしや。

前号の私の駄文なんぞに比べ、遥かに得票数が多かったはず。

それなのに、この厳しさ。

これを読んで、レギュラー執筆陣は皆、震え上がったに違いない
(まだ読んでない人は、そのまま読まない方がいいかも)。

私のようなワンポイント・リリーフでも、縮みあがる。

そうだった。

『わしズム』は、品質第一。

論壇誌のような「執筆者と編集者の馴れ合い空間」ではない。
読者からの「愛読者カード」が全て地獄の閻魔大王、
じゃなかった、
小林よしのり責任編集長に届けられる。

そして毎号、「非情」な裁定が下されるのだ!
何と恐ろしいシステム。
これではまるで、あのAKB48の「総選挙」
そ っくりではないか(よく知らないけど)。

今号に私はエッセイ「サホビメの悲劇」と、
評論「『古事記』リバイバルの千三百年史」を載せている。

はっきり言って、どちらも余り得票出来そうにない。

決して手を抜いたつもりはない。

だが、何しろ強敵が多すぎる。

特集では、十人十色、
様々な『古事記』の「読み」を、
漫画や、エッセイ、評論、物語などとして、
惜し気もなく披露している。

どれもこれも、何故か読み応えがあって、
面白い(但し、阿刀田高氏が「ストーリー性が豊かなのは上巻だけ」
などと述べておられるのは、大いに不満で、
図らずも、中巻に収めるサホビメを扱った拙文は、
それへの反証になっていよう)。

特集以外の記事も、侮れないものばかり。

これはマズイ。

しかも私の場合、
ただでさえ少ないであろう得票が、二つに分散されかねない
(もっとも、小林さんの場合、もっと分散されるが)。

だから、予め言っておく。

折り紙付きのビッグネームは、
どんなに面白くても、君が投票しなくて大丈夫。

きっと他にも多くの人が投票するはずだ。

笹幸恵さんなんか、文章がいい(素材も書き方も)上に、
あの写真は殆ど反則だ。

写真と言えば、切通理作さんの写真も見逃せない…。

などと、人の宣伝をしている場合で はない。

AKB48センター、大島優子いわく、
「皆さんの票は愛です」と。

その通り!

『わしズム』の「愛読者カード」には5票分、
投票の権利が与えられている。

どうか、その内のたった2票!でいいので、
余り得票しそうにないものにも、「愛」を。

でもまぁ、自分が得票数、最低だった時のセリフも、
もう考えてある。

「私のことは嫌いでも、『わしズム』を嫌いにならないで下さい」
 って、
前田敦子が「総選挙」の得票トップで、
センターに返り咲いた時のセリフをもじっちゃ、
いけないか。

どうやら、
今号掲載の座談会「AKB48新参ヲタ大激論!」が面白すぎて、
少しばかり?感化されたようだ
(また、他人の宣伝をしてしまった)。