高森明勅

政府は人質の危険を織り込んでいたのか?

高森明勅

2015年 1月 21日
「イスラム国」が日本人2人を人質に取り、
その身代金として2億ドルを要求している。

許しがたい暴挙だ。

人質の1人、ジャーナリストの後藤健二氏はベテランで、
現地の危険を熟知していたという。

それでも、知人の湯川遥菜氏を救い出す為に、
敢えて現地に赴いたとか。

それが事実ならとても辛い。

2人が助かることを願う。

やや気になるのは、湯川氏がイスラム国に捕まったのが昨年8月。

後藤氏も昨年11月頃から、
イスラム国に拘束されているとの情報が、
シリア反体制派内部で出回っていたらしい。

政府がそうした情報を全く掴んでいなかったとは、
さすがに考えにくい。

であれば、
政府はイスラム国に日本人2人が人質になっている事実を承知で、
この度イスラム国対策支援を打ち出したことになる。

その際、現に人質を確保しているイスラム国が、
今回のような対応に出る可能性を予想していなかったのか、どうか。

もし一切、予想していなかったとすれば、平和ボケも甚だしい。

予想していたとすれば当然、対処のシナリオも複数、
用意されているはずだ。

今後の動きを注視したい。