高森明勅

『卑怯者の島』再始動に期待

高森明勅

2014年 10月 28日

小林よしのりさんのブログを拝見していると、
中断を惜しまれていた『卑怯者の島』の完成に向けて、
いよいよ動き出されたらしい。

若い読者には読んだことがない人や、
そもそも知らない人がいるかも知れない。

以前、『わしズム』に連載していて、
長く中断になったままの“伝説的作品”だ。

戦争を真正面から扱った文句なしの問題作。

私自身、猛烈なファンだった。

素人目から見て、あと1、2回で完結しそうな感じで
物語が盛り上がったところで、
ブツンと中断していた。

ほとんど嫌がらせに近い。

だから、ますます続きを読みたい気持ちが強かった。

そんな中、あちこち自衛隊関係で講演をすると、
幹部自衛官の方などから、
私が小林さんと縁があるというので、

「『卑怯者の島』のリアルさは凄い」

「いつ再開されるんでしょう?」

あの作品はぜひ完成して頂くよう伝言して下さい」

などと、声をかけられることがしばしば。

現役の自衛官として、
月並みな戦争物とはレベルの違う迫力を感じ取られているようだった。

もちろん、私は我が意を得たりとばかり、
そのことをご本人に伝えている。

でも
今の作品に全力投球したい。
あの作品はむちゃくちゃ描き込まなくちゃならなくて、
肉体的、
時間的にもかなりキツイ。
いずれ機会があれば」
となかなか渋いお返事。

内心、ガッカリしていた。

しかし、遂に再始動。

しかもストーリー作り、作画技術とも、
連載当時より更にパワーアップされているとのこと。

これは楽しみだ。