小林よしのり

宇野常寛氏の「ゼロ年代」を読み始めた

小林よしのり

ゴー宣道場・公論イベント
2014年 10月 11日


宇野常寛氏の『ゼロ年代の想像力』を読み始めた。

エヴァンゲリオンや漫画やテレビドラマなどのサブカルチャーに

全然興味がなくなっていた時に読んだ印象と、今では若干違う。

宇野氏の思考回路が少しは分かるようになってきた。

わしに対する分析も、なるほどそのように分析できるわけかと、

面白く感じる。

 

「大きな物語」とは伝統や戦後民主主義といった国民国家的な

イデオロギー、あるいはマルクス主義のような価値体系の

ことらしい。

物語とは、生きる意味や信じられる価値のことで、それらの価値が

崩壊した世界で、どう生きるかというテーマに挑戦している者として、

宇野氏はわしや宮台真司や東浩紀を分析しているようだ。

なるほどね。そりゃそのような気がする。

 

ニーチェの超人みたいな提案をしたいところだが、あっという間に

運動に絡め取られる人々を見ていると、やっぱりそれは無理だと

わかるんだよなあ。

慰安婦問題に対するアホ丸出しの狂信や、朝日新聞バッシングを

見ていると、益々、劣化、幼児化している大人たちにため息が出る。

 

東京オリンピックを目標にし始めた国民も、見たいものしか見ない

という後ろ向きの決断主義に嵌って、絶望への道をひた走っている

のだろう。

明日の議論は意義深いものになると思う。