高森明勅

戦争出来ない国?

高森明勅

2014年 6月 3日

憲法改正を巡り、左翼・リベラルから定番の批判がある。

日本を再び戦争の出来る国にしてはならない!」という例のやつ。

だがさすがに、賞味期限はとっくに過ぎている。

戦争体験が「風化」する一方で、わが国の周辺がどんどん
ヤバくなっている。

そんな状況の中で、日本だけ
「いつまでも“戦争出来ない国”=
自国すら独力で守れない、
守ろうとしない国で居続けろ!」
と声高に訴えても、
もう説得力はない。

そんな国は、永遠にアメリカの属国であり続けるか、
中国の属国に鞍替えするか、米中両国の共同支配の下に置かれるかー
しか道はない。

勿論、いずれも没主体的に戦争に“巻き込まれる”可能性は、高い。

それで結構、というなら話は別だ。

そうでなければ、憲法改正は避けられない。

左翼がいつまでも古臭い教条主義的な反対論ばかり振り回している
と、
かえって憲法の空洞化を進め、
立憲主義そのものを危うくする
「解釈改憲」
路線を勢いづかせることになる。