高森明勅

何故「9条」改正を目指さないのか?

高森明勅

2014年 5月 31日

中国の台頭が著しい。

一方、アメリカははっきり弱体化している。

ばかりか、日本への関心自体が、極めて薄い。

日本と中国を天秤にかけている。

というより、どんどん中国にシフトしている。

それが実情だろう。

そうした厳しい国際環境の中で、主権と領土を守り、
独立国としての立場を貫くには、日本は自ら「一人前」
軍隊を持つしかない。

そもそも、どんな国際情勢下であっても、国防について、
いつまでも“占領軍”
に全面的に依存しているようでは、
とても「一人前」
の独立国とは言えない。

ならば、憲法9条の改正は不可避ではないか。

これを回避したままでは、「個別的」自衛権自体が“張り子の虎”。

他国の為に武力行使する「集団的」自衛権どころの話ではない。

なのに安倍政権は、立憲主義の根底を揺るがす恣意的な
憲法解釈の変更までして、
集団的自衛権の行使容認に踏み込もう
としている。

実に不可解だ。

何故、正々堂々と真正面から9条の改正を目指さないのか。