高森明勅

安倍政権の「毎年移民20万人受け入れ策」検討は危険

高森明勅

2014年 4月 28日

安倍政権は先頃、少子化による労働人口の減少への対策として、
毎年20万人の移民を受け入れる」という政策の検討を開始した。

これは実に危険な愚策だ。

安倍政権の経済政策は、
国民の所得アップを図ることで景気の回復を実現する、
という触れ込みだったはずだ。

ところが、これまで実質賃金は下がり続けている。

この上、毎年20万人も安価な労働力を海外から受け入れたら、
どうなるか。

国民の所得は更に切り下げられるだろう。

そうなると消費は冷え込み、景気は悪化の一途を辿る。

貧困化した若者の非婚率は高まり、少子化に一層、拍車がかかる。

ますます労働人口が減るので、移民の受け入れはより拡大し…
という悪循環が待っている。

その間、窮乏化した日本人と移民との対立は激化し、
国内の犯罪率も跳ね上がるだろう。

日本人が長い歳月をかけて築き上げて来た
信頼感やあらゆる社会的
美徳は、短期間で失われてしまいかねない。

今、政府が目指すべきは、安易に移民に頼るのではなく、
最上の少子化対策として、国民所得の押し上げに全力を傾注し、
内需主導による景気の回復を成し遂げ、
日本の若者が自分達の未来に
希望を持てるようにすること以外にな
いはずだ。