高森明勅

竹田恒泰氏の印象

高森明勅

2014年 4月 26日

私は竹田恒泰氏との間にほとんど接点がない。

今、思い出すのは2点。
1つは、随分前に八木秀次氏から聞いた話。
旧宮家関係の人物から接触があった。
関係者には皇室に戻る覚悟の人もいるらしい。立派だ」
といった内容だったと記憶する。

この時、八木氏に接触して来た人物というのが、竹田氏だったようだ。

もう1つは、これも結構、前のこと。

日テレ系の衛星放送で皇室典範改正を巡る討論番組があった。

男系限定派から入江隆則氏・八木氏・竹田氏が出演。

女系も容認する立場からは西部邁氏・
所功氏に私といったメンバー。

番組中、私はフリップも用意して
側室不在の条件下で男系限定に固執すれば、
皇室の長い将来に亘る存続は図れない」と主張。

これに対して説得力のある反論はなかった。

収録が終わって控え室に戻ると、
竹田氏は、
討論で劣勢だったのが悔しかったのか、
いきなり私に食ってかかった。

「高森さん、側室不在と言っても、
600年後の価値観はどうなっているかは予測出来ないでしょう。
皇室や国民が側室を認めるようになっているかも
知れないじゃない
ですか!」と。

私は余りにも飛躍した論法に呆れつつ、次のように返した。

「確かに600年後の価値観がどうなっているか分かりません。
しかし、
600年後の価値観を持ち出して、
眼前の危機を乗り越える方向性を議論するのは無意味でしょう」と。

これへの再反論はなかったように思う。

風変わりな人物だなぁ、というのが、その時の印象だった。