切通理作

いま読まなくてはならない

切通理作

2015年 7月 15日

昨日はゴー宣ネット道場動画の収録でした。

わが自宅から出がけに、郵便受けをたしかめたら、

ナント!小林さんから小学館さんを通して『卑怯者の島』を送って頂いてました。

 

行きがけの電車の中で読み始めたら止まらなくなり、

収録場所の最寄り駅に着いたらあと20数ページ。

 

普通だったら「後は帰りがけに」と思うところですが、

もはや止まりません。

 

なんと私は、小学生以来の、「歩きながら漫画を読む」という

行為をしてしまいました!

 

小学校の時の私は、自転車に乗りながら漫画を読んでいた

こともあります。

 

いまから思えば、いつ交通事故に遭ってもおかしくなく、おそろしいですが、

それだけ、漫画というものが、なによりも大切で、

「いま吸収しなければならない」エネルギーだったのです。

 

そんな無心な状態に帰れるほど、すごい本でした。

 

「卑怯」という言葉の意味が、どんどんめくり返されていく。

めくり返されながらも、どんな価値相対化も、それは安全圏からの第三者の立場に過ぎないという事も、同時に突き付けられていくのです。

 

「いま、お前がそこに居てそれを決断したとしたら、それは非道と言えるのか」

という問いかけ。

 

そこにタブーはありません。

 

また、戦地の現実にも留まりません。

たとえ<軍神>でも、女性はイキナリ傷痍軍人を愛せるか?という問題も出てきます。

 

作中、印象的に出てくる

「女の愛国心は信用できない」という言葉からは、

基本的に男のみが兵士になるということも

戦争の本質のひとつなのだと思い至らせます。

 

たいていの戦争映画や物語は、女性を銃後の存在として凛として描くか、

あるいは「本当は平和を願っている」優しさの象徴として描きます。

 

そのどちらでもないところから、目をそらさしていない。

 

そして何よりも重要なのは、

彼らは、そして僕らは、

何を守るのか?……ということです。

 

安倍首相は、それをわかっているのだろうか?

国民の目を欺き、ごまかしている、

「いま現在卑怯な者」に、わかるわけがない。

そう思います。