小林よしのり

「日本のいちばん長い日」の昭和天皇はカッコいい

小林よしのり

芸能・文化
2015年 6月 17日


昨日は『日本のいちばん長い日』の試写会に行ってきた。

田原総一朗氏と726日に、この映画に関するトークイベントを

行うことになっている。

 

一番驚いたのは各シーンが「映画」になっているということだ。

半藤一利原作のこの作品を、ここまでスマートに撮るとは

原田眞人監督のテクニックが凄い。

 

二番目に驚いたのは昭和天皇のカッコ良さだ。

かつて昭和天皇がこれほどカッコよく描かれたことはなかった。

畏れ多いから顔は映さないとか、カリスマ性を出すために

無理やり異形の雰囲気を出そうとしていた昭和天皇像が、

ついにここまで来たかという描かれ方である。

本木雅弘が、リアルに話し、動き、繊細で知的な人間として

演じている。実に新鮮だった。

 

山崎努の鈴木貫太郎像もインパクトがあった。

 

この映画は大人の映画だ。

降伏か本土決戦か、戦争に負けるということが、どれほど

屈辱的なことなのか、それがわかる国民も少なくなってきた。

大人なら見るべき映画である。