小林よしのり

こんな時代に売れるのだろうか?

小林よしのり

日々の出来事
2015年 4月 22日


例の大作、わしのペン入れはついにあと一本になった。

わしが描かねばならぬ分量が多すぎるから、この作品を

完成させるのは億劫で、ずっと逃げていたのだが、

高森さんや、「SAPIO」の編集者・中澤・酒井両氏に

完成させてほしいと催促され、その気になってしまった。

 

・・のは良いのだが、毎日毎日描いてるうちに、

ふと脳裏をよぎるこの疑念・・

こんなに厳しい作品が売れるのだろうか?    

 

テレビじゃ朝から晩までチャラチャラ面白おかしい

から騒ぎばっかりやってるし・・

報道ニュース番組もすっかり毒素を抜かれて無難な

コメントばっかりになってしまったし・・

外出したら幸福そうな人々がヘラヘラ歩いているし、

最近できたチーズタルトの店に相変わらず

ずらっと客が並んでるし・・

自民党はちょっとでも自分の気に入らない言葉を

発したマスコミを脅し、なんと野党の政治家にまで、

言論封殺をやり始めたし・・

大衆は安保法制にも、何にも関心持ってないし・・

マスコミはこの「戦争法案」を国民に分かりやすく

知らせようと全然しないし・・

 

こんなテキトーな時代に、戦場での生死の極限状況を

描いたわしの例の大作が、売れるのだろうか?

まったく見当もつかない。