小林よしのり

危うい民主主義

小林よしのり

2015年 4月 18日


政権与党が放送法を振りかざしてテレビの報道番組を威嚇し、

テレ朝やNHKを呼びつけて事情聴取しているが、それが

テレビ報道番組の「委縮」を促進する圧力になる。

 

その程度の圧力で「委縮」するとは、テレビマンの矜持は

ないのか?という指摘があるが、「ない」と言うしかない。

 

権力が放送法を持ち出すのは、免許を取り消すぞという脅し

なのだし、テレビはスポンサーなしでは運営できない。

 

長期政権となるなら、本気で政権を怒らせたら、情報も取れ

ないので、テレビ局や他のメディアのトップも安倍晋三と

食事をして自ら懐柔されている。

 

安倍政権と大企業は蜜月状態なのだから、大企業向けの

アベノミクスや、大企業向けの原発再稼働を批判すると、

スポンサーも離れるリスクがある。

 

広告収入に頼らない「赤旗」や、エロ広告で成り立たせる

日刊紙くらいしか、今や厳しい政権批判は出来なくなっている。

 

その上、国民が「意見」を聞きたくない、「解説」だけでいい

という無気力に陥っており、民主主義の基盤が溶解している。

商売で支えられなければ、マスコミなんて権力の圧力には

圧倒的に弱い。

『新戦争論1』の「日系ブラジル人「勝ち組」が信じたい情報」

を読めば、今のマスコミの置かれている状況も分かるだろう。

 

YouTubeに「ゴー宣道場」のPR動画がアップされているから、

この10分程度のわしの分析を見るがいい。

無気力な国民に、民主主義は国民一人一人の自覚で成り立つ

のだということを分からせるべきである。

 

日本の民主主義は、今、相当危ない時期にさしかかっている。