『新戦争論1』の感想、
本日は若林丸さんのブログから、
一部ご紹介します!
シリーズ最終巻「3(2003年)」から数えても
12年ぶりの、新シリーズ発売です。
帯のコピーは「ようござんすね?このまま戦争で」。
まさに、当事者意識を問う一冊。
ストーリーテラーの端くれという自負があるので、
「漫画・アニメ」の視点から、
本書をレビューしてみたいと思います。
漫画作品である以上、ネタバレには注意しますが、
ある程度の解説は容赦してください。
「スマホアプリの戦争ゲームだと思っていたら、
実は・・・」という、ふだん「艦これ」などで
遊んでいる僕らには少し怖い内容です。
昔、コミックボンボンで池原しげと先生が(※)、
ゲームを戦争に利用する組織という
荒唐無稽なストーリーを
描いていましたが(古くて申し訳ない)、
現代の電子機器の発達を考えると、
それこそ事実は小説より何とやら、
という気がしてきます。
イケメン・美少女がしたり顔で
「これが戦争なのだ」みたいな事を語ります。
単にストーリーとして見ている分にはカッコいいのですが、
では、それを見ている自分たちが「戦争」という
極限の状況に立たされた時、それが言えるでしょうか?
やはり「ただしイケメンに限る」
なのでしょうか?(←そこはどうでもいい)
まだ自分で戦争ができない国です。
戦争できる国というのはつまり、
どこかの大国の傘に入っていたいためだけに
「戦争するからお前も参加しろ」と言われたら
ホイホイ付き従うだけの国は、「属国」と言うべきでしょう。
真に独立した国であれば、
その戦争の正当性を考えたうえで、
異議があれば「参加はできない」と突っぱねる事も
できなければなりません。
この点について「新戦争論」では、
イラク戦争に反対したドイツとフランスを挙げています。
それも、戦争と政治的な流れだけでなく、
日本の言論人たちが当時何を言っていたか、
を詳細に振り返っているので、
本人たちには耳が痛いことでしょう。
極めてゲーム的な感覚で、好戦的なムードを
煽る人たちが現れていました。
自分と同じアニメ・漫画が好きな人達らしい、
と知った時です。サブカル好きな人なんて、
みんな根は無邪気なもんだろうと思っていたのです。
しかし実際は、「無邪気に」恐ろしい事を
平然と言い放つ人々が、少なからずいました。
これはむしろ冷静に考えると、「無邪気だからこそ」
そのような事が言えるのではないか?と、考えています。
Laboratory of Dr.W イラスト・漫画その他適当に綴る日記。
(※)若林丸さんから訂正
ゴー宣道場でトッキーさんに本記事を紹介していただいて、
読み返して気づいたのですが、これは池原先生でなく、
やまと虹一先生だったかも知れません。あるいはぜんぜん違う人かも・・・
「少年達のゲーム技術を軍事に利用する」という内容の漫画
だったのは覚えています。間違っていたら各方面に失礼なので、
情報があやふやだという事を補足しておきます。
案外語られない「漫画・アニメ」の
視点からの『新戦争論1』(漫画作品なのに)
の感想、参考になります!
「無邪気に恐ろしい事を言う人たち」
当事者意識どころか、世の中で起きている
ことに対する「現実感」さえ希薄な人たちが
相当にいて、それが危機感のない空気を
作っているのかもしれないとも思いました。
『新戦争論1』を読める人が
もっと増えなければ、
このままの空気じゃ
本当にヤバイ!と思います。