小林よしのり

トランプと関係ない国の自立

小林よしのり

政治・経済
2016年 4月 5日


米国大統領選のトランプの言動になぜ注目するのか分からない。

いくらなんでもこの人が大統領になるはずないだろう。

もしそうなったらアメリカ人が世界中で馬鹿にされるだけだ。

 

わしは自主防衛論者だが、トランプが日本の駐留米軍の撤退を

訴えたり、日本の核武装を訴えたりしても、却って迷惑なのだ。

 

それは国連の女子差別撤廃委員会が、皇統の男系絶対は女性差別

と真実を突いてきても、迷惑に感じるのと同じことだ。

 

外圧は要らないのである。

日本国民が選び、決断しなければ意味がないのだ。

 

トランプは米軍の駐留費用をもっと払えと言う。

思いやり予算じゃ足らないと言う。

冗談ではない。

日本に米軍を駐留させたいのなら、その費用は米国が全額払えと、

わしは言いたいくらいだ。

 

いざとなれば米軍が守ってくれると日本人が思っているから、

「憲法9条改正に反対」「自衛隊を国軍にするのは反対」などと

甘ったれたことを言う左翼が滅びない。

駐留米軍が日本人の精神を蝕んでいる。

 

自主防衛は単独防衛ではない。

他国と安保条約も結べるし、同盟関係もつくれるが、基本は

単独防衛の覚悟を持ち、最大限それを試みよということだ。

 

将来、米国が日本から軍隊を引き上げると言ったときに、

「もはや日本は単独では守れない」と明言している臆病保守は、

自殺でもする気か?

自分の国は自分で守るという、国家成立の原点に帰るしかない

ではないか。