小林よしのり

わしのコンテの絵は克明

小林よしのり

日々の出来事
2016年 3月 9日


一般的な漫画家のコンテは、フキダシとネームだけで、

絵は描かれていない。

せいぜい丸描いて、大雑把なクロッキーが描かれているだけ。

「わしズム」の編集長をやっているとき、漫画家のコンテを見たが、

あまりに大雑把すぎて、ほとんど意味不明なものもあった。

ペン入れしたものを見なければ、面白いかどうかわからないという

状態だったが、それが普通らしい。

 

わしはどうしてもコンテの段階で、他人が見ても意味が伝わる

ように絵を入れてしまう。

18ページの密度が濃ゆいので、キャラクターの表情の変化を

入れないと、見せたい面白さが伝わらない気がする。

例えば『おぼっちゃまくん』の御坊茶魔は表情の変化で笑える

のだから、克明に描かざるを得ない。

 

したがってコンテの絵を入れる作業だけで一日かかったりする

ことがあり、昨日は0時まで描き続けたが終わらなかった。

今日の午前中で終えて、仕事場にファックスしようと思う。

 

午後にはSpecial本の原稿を、秘書に持ってきてもらって、

毎日ただ絵を描くだけの日々が続く。