小林よしのり

株主資本主義の破綻

小林よしのり

政治・経済
2016年 2月 9日


最近は予想が当たるのが短期になったものだ。

正月からマスコミが今年はアベノミクスで輝ける年になると

言ってたので、「嘘をつけ」とブログで書いてたら、

たちまち株価が下がり始める。

 

あげくにマイナス金利で、「その効果は瞬間的でしかない」

と書いてたら、たちまち株価は暴落していく。

 

実質賃金もここ数年、下がりっぱなしで、景気回復の実感など

どこにもない。

正月のマスコミの楽観論から、たった1か月半でこの結果だ。

エコノミストの意見なんか聞かなくても、庶民は実感で分かる

ってことじゃないか?

 

これを長く続いたデフレマインドのせいだという意見にも賛成

できない。マインドの問題じゃないよ。

将来不安が大きすぎて、貯金を切り崩す勇気なんか持てないし、

実質賃金が先細る中で、ちびちびとでも貯金してなきゃ怖い

というだけだ。

日本人らしい堅実さは立派だよ。

 

トリクルダウンがないのなら、ボトムアップする経済の策を

政治家や官僚や経済学者が出してくれればいいのに、今のまま

株主資本主義に血道を上げるばっかりでは、銀行預金がマイナス

金利になったとしても、タンス預金するしかないと考えるだけ

だろうな。

そもそも金利がゼロとかマイナスって、資本主義が終わってるよ。