小林よしのり

極右か極左しかインパクトがない時代

小林よしのり

政治・経済
2016年 2月 4日


アメリカの大統領選を見てると、日本の言論空間にも通じる

危うさがある。

 

トランプは百田尚樹や橋下徹みたいなもので、右派で

エキセントリックで放言気味なところがウケている。

 

クルーズも極右だから、共和党ではルビオみたいな現実的な

政治家が損をする。

わしはルビオがいいと思っていたが、極右に負けてるようだ。

 

民主党は格差社会を背景に、社会主義者のサンダースが若者の

不安を味方につけて善戦している。

これは日本のシールズなどの純粋まっすぐな若者が、共産党に

好意的になるのと似ている。

 

エキセントリックを面白がり、欲求不満を晴らしたい大衆は、

アメリカではトランプに、日本では橋下徹や百田尚樹に自分の

本音を重ねる。

クルーズは日本で言えば、日本会議が組織的に応援している

ようなものだ。

 

オバマからクリントンというのも、大した変化がないような

気がするので、クリントンは「初の女性大統領」という理念を

強く打ち出すしかないだろう。

 

しかし、現実的で、中道を説く者にとって、難しい時代に

なったものだ。

極右か共産主義しかインパクトがない時代に入りつつある。