小林よしのり

日銀、未だにトリクルダウン信仰の目が覚めず

小林よしのり

政治・経済
2016年1月30日 03:49


日銀のマイナス金利導入は未だにトリクルダウン信仰を継続

している証しに過ぎない。

安倍政権の御用新聞・産経新聞が「異次元緩和 再び活性化」

という見出しで解説しているが、図らずもこう書いている、

金融緩和による円安・株高効果はかつてほどではないし、

企業収益増に伴って富が賃金面に滴り落ちる『トリクルダウン』

も『ちょろちょろとしている』(浜田宏一内閣官房参与)」。

だからマイナス金利で「再び活性化」すると言いたいらしい。

 

いくら金融緩和を進めても、「トリクルダウンはない」という

結論は、一時はアベノミクスに幻惑されて、評価するミスを

犯したクルーグマンもスティグリッツもトマ・ピケティも、

最近では認めていることだ。

竹中平蔵も、わしの目の前で「トリクルダウンに期待する方が

おかしい」とまで言ってのけた。

 

それなのに、日銀はマイナス金利で、銀行が企業に貸し出しを

せざるをえなくなり、企業は資金を借りて設備投資や賃上げをし、

景気の好循環が実現すると、またまたトリクルダウン信仰の

継続である。

そりゃあそうだろう。アベノミクスにとってトリクルダウンが

ないということになれば、異次元緩和をやった意味がない。

 

だが銀行は日銀の当座預金に預けても損するだけだから、企業に

貸し出すしかないと思ったところで、企業の側が設備投資をする

自信がないから借りたくはない。

むしろ金融機関の収益が悪化する危険も考えられる。

奇策を出せば、一瞬、株価が上がるだろうが、相場の乱高下で

投機家を喜ばせるだけで終わる。

 

結局、日銀ももはや手詰まりで、追い込まれた果ての奇策なのだ。

一体どうなってしまうのかしらね?

「朝ナマ」でも、あんなにアベノミクスを応援したのにね。