小林よしのり

株価が下がる、年金が危ない

小林よしのり

政治・経済
2016年 1月 20日


株価が下がりっぱなしだな。

元旦には「朝ナマ」でアベノミクスへの期待を盛り上げる討論を

やって、年初には新聞が今年の経済の見通しは明るいと煽り記事を

書きまくり、テレビでは経済界の楽観論を垂れ流して、週刊誌では

エコノミストが今年の株価は爆上げだと予測していたが、おやおや

まだ1月なのに、あっという間に結果が出ましたか?

 

しょせん株価なんて一般国民の景気実感には全然関係ない世界で、

そこは「朝ナマ」で竹中平蔵が「トリクルダウンはない!」と明言

しちゃったくらいだから、当たり前のことである。

去年、すでにトマ・ピケティが「トリクルダウンはない」という

証明をしてたから、竹中氏も認めざるを得ないと思っていたのだろう。

 

「朝ナマ」では、いきなり「今日はアベノミクスで3時までやる」

と言われて、「聞いてないよ」と思ったが、わしが「小泉構造改革

からずっとトリクルダウンはないと言ってきた」と強調したことが、

竹中平蔵の「トリクルダウンはない!」宣言を誘った結果になった

ので、わしとしては「してやったな」と思っている。

 

そしてこの株価暴落が、アベノミクスという「幻想」を崩壊させる

ダメ押しになる気配が漂ってきた。

もちろんこの事態は、我々国民の年金積立金までぶち込んだ博打に

負けるということだから、全然喜べる話ではないのだが。

 

アベノミクスは国民に負の遺産しか残さないだろう。

イラク戦争でも賛成した奴は責任取らないから、今度も同じ卑怯を

見ることになるのかもしれない。

 

クソ左翼どもが「立憲主義を騙る護憲主義」で、アンチ安倍政権の

運動ばっかりやってるから、大の運動嫌いのわしは、クソ左翼を

やっつけたいのだが、「中間層崩壊」は国家の危機だから、

愛国心から安倍政権を批判せざるを得ない。

このジレンマを解消してくれる政党があればいいのだが。