小林よしのり

「あさが来た」とベッキーについて

小林よしのり

芸能・文化
2016年 1月 8日


NHK朝ドラの「あさが来た」の健全性は驚異的で、ふゆを意地でも

新次郎の妾にはしないと考えていたようだ。

時代考証を完全に無視しても、一般家庭のおばあちゃんや母親たち

に好感を持たれる健全なドラマ作りをしている。

 

ふゆが新次郎を思うあまり、「妾でもいいから」とついに言ったから、

「キター!」と思ったら、なんと新次郎、「自分を大切にせなあかん」

と説教してしまった。

明治時代に妾になることは「自分を大切にしないこと」という観念は

ないだろう。

その上、ふゆは番頭はんと結婚することになってしまった。

いやあ、健全だ―――――!

 

実在の人物をモデルにして、ここまで創作してもいいのか!

これは皮肉でも批判でもなく、一般家庭に受け入れられるドラマ作り

とはこういうものなんだろう。

 

明治時代には当たり前だった妾すら避けられるのだから、一般人に

ベッキーが非難されるのは当然だ。

「離婚届」のことを「卒論」なんて言って、略奪愛しようとしてたん

だから。

主婦にも好感度100%だったはずなのに、こりゃとんでもない

イメージダウンだ。

 

わしはゲスの男の方が無茶苦茶だと思うが、才能があるのなら、

ファンが支えるだろう。

やっぱり「健全」というイメージ頼りのタレントであるベッキーの

方が痛手が大きい。

CMが減ることは間違いないし、可愛そうだ。

 

恋愛は人を狂わせるから、どうしようもないんだよね。

一途で、猪突猛進で、不倫と分かっても、明るさを失わないベッキー

という女性は素晴らしい。

わしとしてはベッキー、ますます好きになったな。