小林よしのり

ロベール・アンリコの「冒険者たち」

小林よしのり

芸能・文化
2015年 12月 31日


昨夜はロベール・アンリコの『冒険者たち』を見た。

やっぱりフランス映画は人間関係の微妙なところを描くのが

魅力だな。事実婚の国ならではかもしれない。

 

わしも日本の男尊女卑の一夫一婦制に慣れすぎていて、

わしなら親友を出し抜いて、確実に先にヒロインに手を出す

から、この関係は持続できない。

 

しかし今の日本人が見たら、この映画を楽しめるリテラシーが

そもそもないと思う。

何が何だかわからないのじゃないか?

少年漫画の友情・努力・勝利と、ハリウッド映画の家族愛の

プロパガンダばっかり見てるから、アホになってるもんな。

わしも反省しなければならない。

こういうシャレた感覚をもっと見ておくべきだった。

 

しかし理作氏よ、この映画をモチーフにした『無宿』という

日本映画見たことあるかい?

勝新太郎と高倉健と梶芽衣子で、それは見事に3人の個性が

よく出ている作品なんだぞ。

当時は全然ウケなかったんだけどね。

でも、やっぱり『冒険者たち』の方が面白い。