高森明勅

小さな反省

高森明勅

2015年 11月 10日

関西ゴー宣道場の第2部で、対米自立のシナリオをどう描くか、
という趣旨の質問があった。

それに対し私は、具体的なシナリオはアメリカの内部事情など、
その時々の客観的情勢に左右されるので、それを踏まえない限り、
予めシナリオを作っても机上の空論に陥るから、まず対米依存=従属
の日本の現実に国民がしっかり気付くのが大切、
という切り口で
答えたと思う。

これは自立への出発点となる、
そのあたりの“苦い現実認識”が一般に稀薄である事実への、
私なりの危機感や苛立ちから、こうした答え方になった。

これは基本的にその通りなのだが、質問者が「自立への基本戦略」

ようなものを問うていたのなら、甚だ不親切な回答だった。

率直に反省しなければならない。

また、質問者の問題意識そのものが“机上の空論”めいた傾きを持つ
との、誤った印象を与えたなら(勿論、
私自身はそんなことは考えて
いなかったが)、
お詫びしなければならない。

こうした自らの至らなさに気付けるのも、
道場という「公論の場」
がある恩恵だ。