高森明勅

昭和天皇の被災地ご訪問

高森明勅

2016年 9月 4日

私はこれまで、天皇ご自身が直接、被災地にお入りになって
被災者を励まされるのは、
平成3年の雲仙普賢岳噴火災害の時に、
今上陛下が皇后陛下とご一緒に現地に入られたのが最初、
と繰り返し述べて来た。

ところが先日、ある方から
昭和22年9月のキャサリン台風による被害の際に、昭和天皇
ご自身が被災地にお入りになり、
被災者を激励された事実があります」
と教えて戴いた。

早速、確認すると間違いのない事実だった。

その時のお写真も拝見出来た。

その方の話では、それ以外の実例は確認しておられないとのこと。

ならばその後、途絶えていたのか、どうか。

『昭和天皇実録』を丁寧に点検すればはっきりするだろう。

だが該当期間は今のところ未刊なので、
宮内庁書陵部に出向く必要
がある。

残念ながら、今はその遑(いとま)を持たない。

よって取り急ぎ、この点について、謹んで訂正するにとどめる。

併せて、ご教示戴いたご厚志に深く感謝の意を表したい。