小林よしのり

漫画はコンテで決まる

小林よしのり

日々の出来事
2016年 5月 16日


「重版出来!」で、絵はヘタクソだが、自分が表現したい
独自のものを持っている新人がいて、もう一人は
即戦力になり得るほど
絵の上手い新人がいるという
設定が出てきた。


絵の上手い女性新人は、コンテの描きなおしに
堪えられず、原作付きでデビューを目指す。

だが、その原稿は土壇場でボツという報告を受けた
ところで続きとなった。


一方、絵のヘタクソな男性新人は、コンテの描きなおしに

堪えて、デビューに結びつけたようだ。


漫画はコンテで決まる。

コンテの段階で、成功か否か決定している。

わしが少年ジャンプで学んだ重要なテーゼだ。


以後、わしはコンテの段階で、キャラの表情の変化まで
描き込むようになって、今もそれを続けている。

今でもわしのコンテは、これさえ読めば面白さが存分に
分かるというところまで描き込んでいる。

おそらく他の漫画家でもこれほどコンテに絵を入れている
者はいないだろう。

このコンテ自体に商品価値があるというくらいのモノだが、

秘書がこれをもらって溜めている。


初心忘るべからずというが、少年ジャンプの編集者たちから

学んだことは、今も守り続けている。