小林よしのり

下流老人の解決方法

小林よしのり

マスコミ・報道
2016年 5月 15日


TVタックルで下流老人の議論をやっていたが、高齢者の4人に

1人、900万人が貧困に落ちているという。

下流老人とは、生活保護基準相当の収入で暮らす困窮した高齢者

のことらしい。

 

65歳以上の生活保護費の受給者は現在80万人に及ぶというが、

本来は生活保護費は「自立支援」なのだから、高齢者だけ生活保護

の受給者が伸びている現状は異常である。

年金でこういう高齢貧困層を救済できないから、生活保護で代用

しているわけだ。

 

現在は国民の1900万世帯が貯蓄0になっていて、自分で中流と

思っている人も、実はすでに下流に落ちているのだという。

確かに昔は「隠居」という言葉があったが、今は70歳過ぎても

働かなければ生きていけない。

寿命が延びた分、年金も医療費も破たんするし、自分で稼がねば

生きる資格がないという実態のようだ。

 

日本は他国に比べてホームレスが少ない、失業率が低い、

それなのに貧困に落ちて、希望なく長生きする高齢者がこれから

急激に増えていく。

しかも家族も地域共同体も崩壊しているから、知人に介護して

もらえることもなく、孤独に引き籠って、孤独死を待つしか

ないのだ。

 

構造改革・規制緩和と延々と言っているが、真っ先に規制緩和

すべきは安楽死だろう。

国民としての役割を果たし終えて、若者の迷惑にしかならない

老人は安楽死するのが一番いい。