小林よしのり

なぜ改憲派は負けているのか?

小林よしのり

政治・経済
2016年 5月 3日


今日は憲法記念日だそうで、護憲派、改憲派がそれぞれ集会を

開いて必死で主張するはずだ。

 

現状分析すれば、改憲派は負けている。

 

自衛隊を合憲としたり、イラク戦争の失敗を認めなかったり、

改憲草案で特定の価値観を押し付けたり、立憲主義を否定したり、

安保法案の成立を先にアメリカで約束して、日本では強引に成立

させたり、ありとあらゆるデタラメをやってきた結果、国民の

「信頼」を失ってしまったからだ。

 

国民の「信頼」を失った結果として、改憲派は減少し、

特に9条を変えない派は70%近くまで上昇してしまった。

 

こうなることが当然予想されたから、筋の悪い自民党の政策には

反対してきたが、それはわし自身が改憲派として信頼を得るため

に他ならない。

 

もし自民党がわし同様に、イラク戦争に反対し、憲法改正草案を

立憲主義に基づいたもので提示し、安保法制よりも改憲の必要性

を真っ向から訴えていたら、国民の「信頼」を勝ち得て、改憲派

の方が増えていただろう。

 

北朝鮮の核開発や、中国の海洋覇権という、具体的な脅威が

ひしひしと迫っているにも関わらず、護憲派の方が伸びる、

9条改正に反対派の方が増えるなんてことは、本来あり得ない。

 

ナショナリズムが当然高まっていいはずの状況なのに、改憲派

への警戒心の方がそれ以上に高まるのだから、自民党や

自称保守派の戦略がいかにヘタクソで、ことごとく失敗して

いるかという証明であろう。

 

護憲派も改憲派も、欺瞞的で臆病であることには変わりがない。

情けない奴らばかりだ。