小林よしのり

無意識の新自由主義の肯定

小林よしのり

日々の出来事
2017年1月1日 09:51


「朝ナマ」で経済の議論をすると必ず虚しい。

そもそも田原総一朗が最初にトマ・ピケティの名前を出して、

格差拡大のことに触れ、ポピュリズムという単語を出して

いるのに、田原氏自身も、パネリストの誰もグローバリズム

の本質を知らないようなのだ。

 

株価の話をいつもするが、株価が実体経済には全くつながら

ないこと、労働者の賃金には全然連動しないことを、彼らは

知らないのだろうか?

なぜアベノミクスがうまくいかないのか、彼らは全く分かっ

ていないようだ。

 

株主資本主義を擁護するほど、彼らは資産が多いのだろうか?

彼らは自分の実体験を無視して、株価が上がっているのは

良きことと漠然と思い込んでいる。

 

そしてTPPの話なんかを、まだしているのだから呆れる。

自由貿易こそが善だと妄信し、保護貿易を鎖国としか思って

いない連中は、世界の知識人の考えから、完全に遅れている。

ポール・クルーグマンですら、すでにグローバリズムを否定

し始めたことも知らないのだろう。

 

最後のアンケート結果に表われたように、今年は良い年に

なると思わない人が60%もいる。

なんとその理由が「安倍政権を信じていない」が1位になる。

ネトウヨがいっぱい見に来てたはずなのに、この結果をどう

見るのか、誰も説明できないだろう。

 

トマ・ピケティの「21世紀の資本」に書かれていた

「資本収益率が常に経済成長率を上回る」という公式を

「朝ナマ」のパネリストは知っていたのだろうか?

 

さらにこれが逆転したのは、第二次大戦後の30年間しかない

という事実も知っていたのか?

その間のイノベーションが、経済成長にほとんど影響してなく、

廃墟の中からの人口増加率のせいだったということを知って

いるのだろうか?

 

イノベーションと言うが、シュムペーターが言っている

資本主義の動力源について、彼らは誰も知らないだろう。

常に近視眼的な経済問題を考えていて、巨視的な資本主義の

動向を見ていないから、間違った政策に騙されてばかりいる。

政治家も国民もいつ気づくのだろう?