高森明勅

倭国の風習、日本の伝統

高森明勅

2016年12月12日 01:00

わが国の国号が「倭」から「日本」に変わったのは、
持統天皇の時代だった可能性が高い(拙著『謎とき「日本」誕生』
など参照)。

で、同じ持統天皇から「譲位」が本格的に始まる。

これ以前、皇極天皇の譲位があるものの、
これは天皇から任命された
「大臣」
の蘇我入鹿が宮中で惨殺されるという異常事態に対応した
もの。

譲位後も「太上天皇」という称号は得ていない。

「皇祖母尊」と称された。

まさに一代限りの異例。

太上天皇の初めは持統天皇。

この後、
明治天皇の先代の孝明天皇までの約4分の3の天皇が
譲位され、
規範的にも譲位による皇位継承こそ、標準の形とされた。

これぞ日本の伝統。

一方、先帝崩御による皇位継承は、「日本」以前の倭国の風習。

それを、弱肉強食の帝国主義時代に「武装せる天皇制」を新しく
創り上げる為に、改めて採用したのは、
その時代なりの必要と妥当性
があった。

だが、超高齢化社会が訪れても、それに永遠にしがみつくのか。

日本の伝統に立ち返ってはどうか。