小林よしのり

元内閣法制局参事官の見解は見事なり

小林よしのり

皇室・皇統問題
2016年 12月 3日


元内閣法制局参事官の鎮西廸雄氏が「天皇の退位」に

ついて、立派なことを言っている。

この問題で立派だと褒める人物はなかなかいないのだが、

鎮西氏は「特例法対応は憲法違反」だと断言している。

 

憲法第2条の意味は、「天皇の退位は、皇室典範の改正に

よってのみ可能なのであって」、特例法では明白な憲法違反

であり、「議論の余地はない」としている。

 

鎮西氏は言う。

「憲法で、下位法令を固有名詞で引用するのは極めて

異例だ」と。

なるほど――――!

思わず唸った。

 

「このように自明なことがなぜ政府内でチェックされて

いないのか」と鎮西氏は言い、「憲法と皇室典範の特別な

関係への無理解がある」と述べている。

皇室典範の改正以外の選択肢はないのだ。

 

最後に鎮西氏は言う。

8月のお言葉での退位の意向に、「圧倒的多数の国民が

共感し、天皇のお気持ちに沿った対応を望んでいることは

疑いの余地がない。政府及び関係者のとるべき対応の方向は、

この一点につきると考える」

 

こういう良識ある本物の有識者の声は、政府に反映されない

のだろうか?