高森明勅

「血が全てじゃない」という花園天皇の戒め

高森明勅

2016年 10月 22日

第95代花園天皇は、当時の皇太子だった量仁(かずひと)親王を
戒めた文章を遺されている。

その中で次のように述べておられる。

我が国は一貫して皇室の血筋が天皇の地位を受け継ぐ国柄で、
人徳や武力で天下を争う他国とは違う、たとえ人徳はなくても
皇位に不安はない(T超訳ー血が全て!)
などと、側近で媚び
へつらう者は言うだろう。

だが、そうではない。

立派な君主でなければ国内はたちまち乱れる。
だから日々、我が身を省みて、十分な知識と人徳を身に付ける
必要がある。
それらをきちんと身に付けたら、皇室の祖先の気持ちに応え、
国民に厚い恵みを与える事が出来るだろう」と。

皇室はこれまで、このような精神を大切に受け継いで来られた。

「血が全て!」などとふんぞり返ってはおられないのだ。

今の皇太子殿下も花園天皇の“戒め”をお読みになり、

非常に感銘を覚えます」とおっしゃっている
昭和57年3月15日)。