高森明勅

天照大神は何故、尊いか?

高森明勅

2016年 10月 17日

日本神話の最高神は天照大神。

天照大神を祀(まつ)る伊勢の神宮は、約8万あると言われる
全国の神社の中でも、
最も尊いとされる。

では、天照大神は何故、尊いのか。

答えは至ってシンプル。

尊い皇室の祖先神だから。
ただそれだけ。

じゃあ、皇室はどうして尊いか。

これまでの歴史で、国民にそう感じさせるだけの「役割」を、
実際に果たしてこられたから。

それ以外に理由はない。

役割の具体的な中身は時代によって変わる。

しかし、わが国の公的な秩序を保つ上で、かけがえのない存在
という点では、まさに一貫している。

その役割を立派に果たし続けてこられたからこそ、
皇室の血筋(
皇統)は高貴なものと見られるようになった。

「血が全て」などとふんぞり返っていたら、そんな血筋はたちまち
途絶えたはずだ。

皇室は天照大神の子孫だから尊いのではない。

皇室が長年、尊い役割を果たしてこられ、現に今もその役割を
全身全霊で果たされているからこそ、
その祖先神である天照大神は、
最も尊い神として高く仰がれる。

その逆ではない。