小林よしのり

民進党が典範改正案を検討

小林よしのり

皇室・皇統問題
2016年 10月 5日


民進党が典範改正案を検討すると、野田幹事長が表明した。
「皇位検討委員会」の設置を決めたという。
安倍政権は「今の天皇に限る一代限りの特措法」で
手っ取り早く済ませようという不敬な方向に走っている。

「退位」は「即位」とセットで行われるので、「退位」も特措法。
「即位」も特措法になってしまうのだ。

さらに政府は「皇室典範は特例、特則を定める別法も含みうる」
と言い訳するつもりらしいが、そもそも「天皇の譲位」とは、
日本の国体の最重要行事である。
それを「特措法でもいいから」と安易に片づける神経が
どうかしている。
どんな言い訳をしても、特措法で次の天皇は即位することに
なってしまうのだ。
「裏口退位」と「裏口即位」など、真の保守なら許せるはずがない。
もはや自民党は共産党よりも尊皇心を失っている。

しかも特措法では済まない事実がある。
「皇太子殿下が今後30年間以上、不在になる」という事実と、
「秋篠宮殿下が皇太弟にもなれない」という事実だ。
典範を改正しなければ、「皇太弟」にもなれない。

こんな無駄な議論を有識者会議で続けるくらいなら、野田幹事長
「女性宮家創設も視野に入れた典範改正案」の方が、
はるかに
現実的である。

世論調査でも、「一代限りの退位」は17%に留まり、「今後の
すべての天皇も退位できるようにするのがよい」が76%に上る。
わしは断言するが、「愛子皇太子の誕生」と「女性宮家創設」を
含む皇室典範改正案なら、国民のほとんどが喜ぶだろう。
民進党は「愛子さまを皇太子殿下に」と、明言した方がいい。

マスコミに洗脳された「大衆」よりも、歴史感覚としての
常識に裏打ちされた「庶民」の声を聞くのが、「保守」なのだ。
野田幹事長には「保守」の素質がある。