小林よしのり

自由に描く覚悟

小林よしのり

日々の出来事
2017年 7月 7日


発売はまだ先になるが、袋とじの『よしりん辻説法』は

相当に過激な私小説というか、私漫画である。

だが、単なるエロ漫画ではない。

 

そもそもわしが、妻がいながら他の女性との恋愛について

描くことを不思議に思っている人は多いようで、

「通販生活」の対談のとき、落合恵子さんからも大丈夫

なのかと尋ねられた。

 

わしは「妻は諦めているから」と応えておいたが、

本当を言うと、「作品至上主義」が妻の考えである。

今回の『よしりん辻説法』を読ませたら、「面白い」の

ひとことだった。

 

作家は作品が面白くなるという誘惑には勝てない。

面白くなるなら、何だって描くのだ。

それを妻は知っている。

 

松居一代が夫の不倫についてグダグダ言ってる動画は

とても最後まで見ることはできない。

恋人にしろ、夫婦にしろ、相手はモノじゃないんだから、

独占欲や所有欲に執着したって、仕方がないだろうに。

 

作家は自由である。自由に描く。

作家は「内心の自由が裁かれる共謀罪」と聞けば本能で

拒否反応を示すものだ。

そうしない者は作家ではない。