小林よしのり

児童漫画のプロにとって児童は神聖だ

小林よしのり

日々の出来事
2017年 11月 26日


「るろうに剣心」は、わしも単行本を3冊持っている。

その作者が児童ポルノ所持で起訴されるらしい。

児童の裸が好きだったそうな。

 

漫画家が時々、児童に対するふしだらな事件を起こすと、

つくづく情けなくなる。

確かに見せしめで警察に発表され、世間の非難を浴びる

気の毒さもあるが、相手が児童だと庇えない。

 

もちろん18歳未満の娘との援助交際や買春は、言語道断

だが、児童ポルノ所持もタブー感が強すぎて理解できない。

 

才能があるのにどうして?とも思うし、児童に妄想を

膨らませるのも内心の自由かもしれない。

そこから名作や芸術が生まれる可能性もゼロではないから、

表現者としては100%ダメだとも言い切れない。

 

だが、少年ジャンプはやっぱり猥雑でも健全な児童漫画を

発表する媒体なのではないだろうか?

わしが少年ジャンプでデビューして、その誇りも持って

いるから、不愉快で残念である。

 

児童漫画を描くプロフェッショナルが児童に猥褻目線を

持つことが理解できない。

わしは児童漫画でデビューしたので、子供全般に愛着が

あるし、児童漫画を描かなくなっても、児童にはプロと

して手ごわいという対等な意識もあるし、守ってやりたい

という慈愛の念も持っている。

だから薬害エイズ事件のときも、全力で応援したのだ。

 

児童に対する猥褻目線は一番理解できない感覚だ。

同業者に強く批判もできないし、ただ情けないと言う

しかない。