高森明勅

リベラル的価値と天皇

高森明勅

2017年 11月 1日

社会の皆が、多様に自由に自分らしく生きる。

しかも、互いに衝突したり、
否定し合ったりしないで、
共生できる。

そんな社会が望ましい。

まさに、誰もが受け入れられる、普遍的な価値だろう。

しかし、普遍的な価値をどう現実化するか。

となると、国ごとにそれぞれ条件が異なる。

わが国の場合、自由や権利という
普遍的な価値を保障する、
緩やかで安定した
秩序を望むなら、
天皇という存在が重大な意味を持つ。

強制によらない社会的な求心力を確保し、
権力の肥大化を抑制するには、
権威ある統合の中心が必要だからだ。

普遍的な価値とわが国固有の伝統は、
このような形で結び付く。