小林よしのり

ユウェナリスの風刺

小林よしのり

日々の出来事
2018年 6月 28日

内閣支持率は上昇傾向で、支持が不支持を上回る調査も
あるらしい。

わしとしては安倍政権が続けば憲法改正の発議が現実味
を帯びるし、「立憲的改憲」への注目度が高まるから、
それでもいいのだ。

ただ、国民の代表が、嘘と居直りがまかり通ることを、
社会に証明してくれるから、国民の間で、正義や公正
への感度が低下して、ニヒリズムが蔓延することが
心配だ。

道徳的には醜悪な政権だと思うが、本当の相手は国民
なのだ。
朝から晩まで延々とサッカーばっかりやってるが、
古代ローマが滅びた原因が「パンとサーカス」だった
ことを思い出す。
権力者にとって都合のいい世相である。

かつては政治と軍事の全てにおいて、権威の源泉だった
民衆は、今では一心不乱に、専ら二つのものだけを
熱心に求めるようになっている。
すなわち、パンと見世物を。
ユウェナリス「風刺詩集」

「健全なる精神は健全なる身体に宿る」という言葉も、
ユウェナリスだが、正確ではない。
「健全なる精神は健全なる身体に宿れかし」というのが
本当の言葉である。
「ああ・・健全なる精神が、健全なる身体に、宿ればいい
のだがなあ・・」という意味で、「そうはなってないな」
というのが、本当の意味である。