泉美木蘭

正月雑感

泉美木蘭

2017年 1月 2日
東京の友人から電話があって、新年のあいさつがてら話しはじめたら、
私の言葉がすっかり伊勢弁なまりに戻っていたようで、「なにそれ?」と
聞き返された。
今年は実家には帰ってきたものの、人ゴミが億劫でお伊勢さんにも行かず、
弟夫婦らとぞろぞろイオンを見物したほかは、家でテレビを見ているばかり。
だいぶ実家臭が出とんのかもしれへん。

しかし、両親もすっかり老後の生活で、日ごろからテレビばかり見ているよう
だから、芸能情報にくわしいのなんの。
とくに母親は、ジャニーズとEXILEと三代目のファンなのかと思っていたら、
画面に映るありとあらゆるタレントや歌手やアスリートのプライベート情報、
副業、ギャラの金額に至るまでを知り尽くしていて、副音声のようにあれこれ
聞かせてくれる。
こっちは夜はほとんど外で働いていて、バラエティ番組や歌番組はまともに
見たことがなく、初見のタレントが多すぎて全然ついていけないのだけど、
母のトークが面白いので退屈せずに楽しく視聴している。

母はあいかわらずキャイキャイよくしゃべるけど、さすがに年をとって、
疲れやすくなったんだろう、たびたび横になっている。
部屋の様子を眺めながら、ああ、目が見えにくくなってきたのかな、とか、
体がしんどくてやれなくなったことが増えたのかな、とか感じることもある。
もう数年たてばサポートが必要になるかもしれない。

父は体は小さくなったけど、白髪をきれいに整えていて、顔につやもあって
元気そうだ。
母が毎日3食バランスのとれた食事を作っているからだろう。
「学者は退職するとボケる」というのが父の大学周辺の定説だったから、
心配していたけど、72歳になってもそんな様子はないみたいだ。
二階の自分の部屋へ、どし、どし、どし、階段を昇っていく重みのある足音も
そのテンポも、私が子供の頃とまったく変わっていない。
Wi-Fiの配線で父の部屋に入ったら、腹筋マシンやら、胸筋マシンやら、
体を鍛えるグッズがいっぱい置いてあった。
父方も母方も90代まで長生きする家系だから、病気なく元気でいてほしい
と思う。


ところで、母親から祖母についてのかなり衝撃的な話を聞いた。
泉家40年目の真実、って感じで、腰を抜かして思わず笑ってしまったけど、
なるほど、そんなおばあちゃんだったのか、だから私がこんな孫なんだなと
妙に納得してしまった。
凄すぎてすぐには書けないけど、時期がくればちゃんとした作品になると
思う。せやけど、まあほんま、泉家の女にはびっくりすんに。