泉美木蘭

安倍首相が核兵器の先制不使用政策に反対

泉美木蘭

2016年 8月 17日

オバマ米大統領が検討している「核兵器の先制不使用政策」に関して、
安倍首相が、米太平洋軍司令官に対して反対姿勢を示したと
米ワシントン・ポスト紙が報じたそうだ。
なんで米国メディアから伝わってくるんだ。
はっきり日本国内のメディアを通して反対してみろよ!

このオバマ大統領の政策転換には、外務省幹部も、
「もし米政権が核の先制不使用を宣言すれば、日本を守る米国の
拡大抑止は成立しなくなる。あり得ない話だ」
と強く反発している。
核兵器を使わないなんて、『あり得ない話』。
日本は脳髄に至るまでそうはっきりと自覚しているのだ。


日本だけではない。おなじく米国の「核の傘」に入っている韓国、
そして核保有国である英国やフランスも反対している。
結局、現状の人類には、核兵器から離れることも、無視することも
できないのだ。

今年5月のオバマ大統領広島訪問の際、安倍首相はスピーチの
なかでこんなことを言っていた。

「米国の大統領が、被爆の実相に触れ、『核兵器のない世界』への
決意を新たにする。『核なき世界』を信じてやまない世界中の人々に、
大きな『希望』を与えてくれました」

「『核兵器のない世界』を必ず実現する。その道のりが、いかに長く、
いかに困難なものであろうとも、絶え間なく、努力を積み重ねていく
ことが、今を生きる私たちの責任であります」

ハーッ、「美辞麗句」の教科書みたいな文言だね。
しかし、舌の根も乾かぬうちに、こう言いだしたわけだ。

「米国の核兵器がなくなったら、北朝鮮がなにをするかわからない。
核なき世界なんかありえない、日本は米国の核兵器に守られるべき!
核兵器廃絶反対!」

あれだけオバマ様礼讃報道に終始したメディアも、この明かな異常さ
にはだんまりしているか、ちらっと小さく伝える程度。
結局、美辞麗句に一時的にうっとりして、高揚したい日本国民の感情
にのっかるだけで、報道なんてする気概がないんだな。