泉美木蘭

コピーライターに憧れる・・・

泉美木蘭

2016年 3月 12日

先日、売れっ子コピーライターのプレゼンに同席したのだけど、
目に入るなりすぐに意味が脳に浸透して、かつ印象と記憶に残る短文を
ポンポコ生み出せる才能って、ほんと羨ましいなあ。

自分は、もうとにかく土石流、火砕流並みの言葉数で押しに押し切って、
場外乱闘に持ち込んでパイプ椅子で会議テーブル叩き割って、指切って
縫って痛かったという過程を全部書きたいタイプなので、
『広告コピー』という、夜空のど真ん中にドーンと炸裂して輝く4尺玉のような
一文にはつくづく憧れちゃう。

もちろん、一文と言っても一発で「それいいね!」と満場一致に至るわけでは
なくて、まずは広告したい内容、ターゲット層の言語感覚のレベルなどを確認して、
その後、いろんな角度から一案ずつ、合計15案ほどプレゼンするのだけど、
そもそもが広告のプロによる発表だから、プレゼンそのものが面白くて、
最後のコピー案が出終わった時には、完全にその人のファンになっていた。
言語感覚だけではだめで、『今』を的確に拾い上げる能力が、仕上がりを左右
する仕事でもあるんだな、と感じた。

広告コピーと言えば、ファッションビルLUMINEが季節ごとに掲出する広告が
けっこう好きだ。
コピーライターの尾形真理子さんと、写真家の蜷川実花さんのコンビなんだけど
毎回、微妙な女心を、絶妙に表現していて、うまいなあと思う。

『運命を狂わすほどの恋を、女は忘れられる』 (LUMINE 2014秋)

これ、あまりにも絶妙でしょ!
女はみんな、この一文にぶんぶん頷いちゃう。
次の広告も楽しみ。