泉美木蘭

雑誌や新聞は「プラットフォーム」じゃない。

泉美木蘭

マスコミ・報道 日々の出来事
2018年 10月 4日

今朝、モーニングクロスで「新潮45」の話をしていたら、
雑誌は「プラットフォーム」の一つなんだから、ダメなら
潰して、また新しい雑誌を作ればいいじゃないかという
意見があると聞いた。

それってまったく腑に落ちない…。
この深刻な出版不況の時代にそんなに簡単に雑誌を作って
売れるわけ
がないと思うし、
だいたい、「プラットフォーム」というのは、
『Yahoo! JAPAN』 とか『Facebook』とか『BLOGOS』とか、
よそから「コンテンツ」の提供を受けたりして、それらを
使って
人を集めて収入を得ているウェブサービスのことを
あらわす言葉だ。

「プラットフォーム」では、一本の原稿に対して、
雑誌や新聞や書籍の出版社のように、企画、編集、執筆、校閲、
文字校正、デザインなどプロの職能を持つ人々の手が入らない。
だから、フェイクニュースが蔓延しても、その責任の所在が
まったく明らかにならなかったり、
二束三文の素人ライターが書いた記事が、さも「オフィシャル」な
もののようになって流れたり、

新聞では一面見出しになっている国際問題があるのに、
ネットニュースではのん気にネコのもふもふ動画だけが見られて
いたり、破滅的な状態になってしまうのだ。

出版媒体と「プラットフォーム」を混同するなんて、あまりに
物事を軽薄に考えすぎているし、
そういう感性こそ、「売れればなんでもいいじゃん」という
無責任な舵取りにつながっていると思う。