小林よしのり

新潮45、休刊の虚しさ

小林よしのり

日々の出来事
2018年 9月 26日

新潮45の休刊が決まったが、あの差別擁護号の内容は
本当に反知性だった。
特集の「野党百害」というのが、そもそも愚劣!
今の野党をただバッシングして何が生まれるのか?
今の野党を浮上させる方法論を論じるのなら意味がある。
この特集は単なる弱い者いじめである。
特に酷いのが古谷経衡で、単に政治家に馬鹿にされた
恨み節でしかない。
この特集は政権擁護のためだけに作られた企画だ。

そのあとに杉田水脈を擁護するイカレた駄文集が来る。
これは、(当事者の意見)以外は、眩暈がするくらい
駄文集で、国語への侮辱である。
こんなものを載せた編集者は良心の欠片もない。

しかし、佐伯啓思や、適菜収や、とり・みきが、
執筆の場を失ったのは残念だ。
福田和也という本物の「文芸評論家」が地道な執筆を
継続できる場でもあったのに。

雑誌が休刊するということは、当然、その分、この
国の言論・表現の領域が狭まってしまうことになる。
これほどの罪の元凶は杉田水脈であり、それを載せた
新潮45の編集長の責任はあまりにも大きい。

雑誌が売れない時代に、わしもいかに雑誌に貢献
できるかを考えなければならない。
新潮45の休刊は他人ごととは捉えられない。
残念無念の結末だった。