泉美木蘭

グローバル基準と「かかりつけ医」

泉美木蘭

日々の出来事
2018年 9月 17日

「かかりつけ医」という言葉は惑わされやすいですね。
日本では
「いつも子どものことでお世話になっている〇〇小児科」とか、
「私は△△先生にいつもお薬出してもらってるのよ」とか、
一般的な《町の開業医》のイメージがあるので、
「かかりつけ医ならうちにもいる」と思うかもしれませんが、

小林先生が警告された、議論に上がっている「かかりつけ医」は、
自分で自由に医者を選ぶことのできないヨーロッパの医療制度に
存在する医者のことです。

イギリスでは「家庭医」、ドイツでは「ホームドクター」。
「GP」(General Practitioner)と称されていて、
日本語に訳すと「総合診療医」になるようです。

日本では、いつでもどこでも自由に病院を受診できる
制度があることは何度も書きましたが、
OECDから、不必要な専門医受診を防ぐため、

「総合診療医」の数を増やすように勧告されています。

日本医師会は反対してきたそうですが、2017年から、

高齢化対策という理由もあって「プライマリ・ケア」
という名で
総合診療専門医が導入されています。

「病気予防を広め、家族の悩みを包括的にケアする」
と言われれば
聞こえは良いし、確かにそのような面も
ありますが、

実質は患者と専門医を遠ざける仕組みを作り、
「自由に病院に行かせない」ためのゲートキーパーの
役割になっていくのではないかと不安です


たいした症状でもないのに病院にたむろされては困る、
というのは
素人にだってよくわかりますが、
だからと言って、ヨーロッパのような医療制度への変革
をこっそり
目論まれたのではたまったもんじゃありません。

日本とヨーロッパでは、医療制度も医療費の徴収方法も
まったく違いますし、国民性もまるで違うのに、
《それがグローバルな基準》
ということで受け入れなければならないのでしょうか。