高森明勅

「北方領土」プーチンの言い分

高森明勅

政治・経済
2019年 3月 28日
安倍首相が自分のレガシーにしたかった北方領土問題。
 
ロシア側の言い分はどうか。
 
去る3月14日、
プーチン大統領がメディア関係者も入れて、
ロシアの実業家組織の執行部と会合を持った。
その時に以下のように語ったという。
 
「(日露)交渉は失速した。交渉進展のためには、
まず日本が日米安保条約から離脱しなければならない。
安倍晋三首相は、島が引き渡された場合、
そこに米軍基地の設置は許さないと保証したが、
それを阻止する現実的手段は存在しない。
非公式の世論調査では、島の住民の99%が
島の日本への引き渡しに反対しているが、
このことも念頭に置かなくてはならない。
交渉は中断してはならないが、
一息入れる必要がある」と。
 
これでは今井尚哉首相首席秘書官が
匙を投げるのも無理はない。