高森明勅

「祝賀御列の儀」が新しく始まった理由

高森明勅

皇室・皇統問題
2019年 11月 6日

11月10日は「祝賀御列(おんれつ)の儀」。
天皇陛下のご即位と令和新時代の門出を祝うパレードだ。
この行事は平成の御代替わりの時に新しく始められた。
おめでたい新儀が始められた理由は以下の通り。

「平成大礼当時、天皇皇后両陛下(今の上皇上皇后両陛下)は
赤坂御所にお住まいであった。
ために宮殿における即位礼正殿の儀を終えられてあと、夜の饗宴の儀までの間、
一旦赤坂御所へお帰りになるが、この当時の平素の半蔵門より三宅坂を経ての
御道筋を用いられるとしても、おそらくは祝賀の国民が沿道を埋めつくす
ことと予想されたことで、それならば、さらに祝意を広くおうけになる方法で
と考慮、設定された儀式である」(鎌田純一氏『平成大礼要話』)。

平成2年11月12日パレード当日、宮殿南車寄(みなみくるまよせ)より
ご出発の時、近衛秀健氏が作曲した行進曲「平成」が演奏された。
今回は、北原幸男氏作曲の「令和」が演奏される。
果たしてどのような曲なのか。
平成の時は沿道に約12万人の国民が詰めかけて祝意を表した。
そのご様子を、上皇后陛下はご即位から20年余りを経た平成21年に、
次のように詠(よ)まれた。

人びとに

見守られつつ
御列の
君は光の
中にいましき

秋の柔らかい日差しの中、多くの国民の祝意をお受けになりながら、
天皇陛下は晴れやかなご表情でいらっしゃった。
その時の情景が、御代替わりに伴う様々な行事の中でも、直接幅広い国民と
触れ合える唯一の機会であっただけに、上皇后陛下には取り分け深く印象に
残っておられたようだ。

令和の祝賀パレードではどのような光景が展開されるのか。
10日は私も、テレビ出演がなければ沿道で直接、
心からのお慶びを表したい気持ちが強い。

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