高森明勅

悠仁殿下のご結婚の至難さ

高森明勅

皇室・皇統問題
2020年 10月 12日

世の中には、秋篠宮家のご長男、悠仁親王殿下が将来、
お1人以上の男子に恵まれられることを、
既定の事実であるかのように思い込んでいる人がいる。
その想像力の欠如ぶりに少し驚く。

しかし、男子に恵まれられるかどうか以前の、
ご結婚それ自体についても、決して楽観はできない。
一般的に言って、皇族方のご結婚は、国民同士の場合にはない、
ハードルの高さがある。

まして、いずれ皇位のご継承が予測されているケースでは、
天皇陛下や上皇陛下の実例に照らしても、かなりの困難が伴う。
ところが、悠仁殿下については、よく知られているように、
もっと至難な理由がある。

先ず、今の皇室典範のルールのままなら、皇室はやがて、
悠仁殿下お1人だけになってしまう、という苛酷な未来が既に、
見え過ぎるほど見えている。

更に、ご結婚相手は必ずお1人以上の男子を生まないと、
これまで長年、国民の心の拠り所として存続して来た
皇室そのものが、滅びてしまう。

そういう想像を絶したプレッシャーが、たったお1人の
うら若い女性に、のし掛かることになる。
それでも結婚を決断できる女性が、果たして現れるか、
どうか。
いささか悲観的にならざるを得ない。

これまでも、私が繰り返し指摘して来たことだ。
ごく一部には、「政略結婚」的な手法でハードルを越えられると、
気楽に考える向きもあるようだ。
しかし、リアリティーが無く、楽観的過ぎる。
何よりも、皇室に対して余りにも敬意を欠いた発想ではないか。

悠仁殿下のご結婚の至難さを、今の政府・国会がどの程度、
深刻に受け止めているか。
不安を拭(ぬぐ)い難い。よって今後も、その至難さを解消ないし
緩和する為の手立てを、“今のうちに”講じておかねばならないことを、
声を大にして訴える必要があろう。

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